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オーダーカスタムブーツ ”レッドウィング”



本日はお客様からご依頼いただきました『オーダーカスタム』をご紹介いたします。


今回のベースは、”レッドウィングのモックトゥブーツ”カラーは黒です。

こちらをブヒが得意とする『ハンドソーンノルベジェーゼカスタム』で大変身させて頂きましたので、ご覧頂けると嬉しいですー。



ちなみに、『オーダーカスタム』は今の所テンプレートもなにもご用意しておりませんので、基本的にはお客様のイメージとされているカスタム内容と、出来ること出来ないことを擦り合わせていって、全体の完成像を固めていきます。


納期は最低でも3ヶ月以上くらいはかかりますし、途中途中で「ここは何色にします?」とか「こんな感じで進めます。良いですか?」とかお伺いすることもあります。もちろんアシストはしますが、最終的にはお客様が決めて頂かないと作業は進められません。


「なんでもいいです。お任せします。」という方には正直オススメできませんし、そもそもオーダーカスタムをお受けすることも残念ながらできません。


オーダーカスタムはお客様の熱意がないと成立しません!(なんかのCMみたい。)


お客様の大切な靴をお預かりして修理よりも遥かにリスキーな作業を行っていますので、「どーしてもやりたいカスタムがあるんやーー!」という、熱い想いを持っている方のご依頼のみをお受けしていこうと思っています。


「オーダーカスタム興味あるんやけどなぁ。」と、密かに想ってくださっているそこのあなた!(ありがとうございます。想いだけでも嬉しいです。)ぜひ、具体的な内容をイメージしてからご相談ください。


特にブヒが今までに製作したカスタムシューズ(こちら)や今回のようなオーダーカスタム(こちら)の例を見て頂いて、この部分はこっちでこの部分はコレ。という具合に、やりたいなぁと思う箇所を部分的にでも良いのでお伝え頂ければスムーズに進められると思います。カスタム内容に関してはいくらでもご質問等ぶつけて来てください。熱い想いは心に秘めておいてください。


他店さんやブランドさんの商品の写真等でもNGではないのですが、正直写真だけでは内部構造や細かい部分が分かりづらい場合もあるので、なんとなく全体の雰囲気こんな感じで〜くらいで見せて頂く分には構いませんが「全く一緒で」とかはご勘弁ください。よろしくお願いします。



また!前振りが長くなりました。すみません。


では、カスタム内容をご紹介いたしますー。



まずは分解します。バラバラ。



分解したついでに普段はお手入れできないような奥の奥までメンテナンスします。


靴の奥なんてあんまり気にしないかもしれませんが、ホコリや靴下の繊維が絡まったようなものがポスッと出てくる時もあります。


基本的にブヒでバラした靴たち、カスタムや大修理の場合なんかは靴の内部もメンテナンスしています。汚れはもちろんのこと、ビンテージ靴なんかだと乾燥で破れたりする場合もあるのでしっかり保湿。すでに穴が開いていたらパッチ修理したり。


バラした状態でないと出来ないコトを行います。


(ちなみに今回の靴は内部もとても綺麗でした。)


メンテナンスが終わりましたら、まずはモカ部分のチェーンステッチ。ひと目ずつ丁寧に手で縫っていきます。


この部分のチェーンステッチはバラさなくても出来ますので、ちょこっとだけカスタムしたいって方にはオススメですね。コレだけでも雰囲気は変わります。



モカ部分が仕上がりましたら、中底を準備して木型にはめていきます。


もうここからは靴を作る工程とほぼ同じです。アッパーが出来たので底付けをしますーみたいな感じです。


まぁ工程は同じでも、グッドイヤー製法からハンドソーン製法に変更するのでちょっと大変なんですけどね。

まず「つりしろ」が足りない。「つりしろ」とは、靴をつり込むときに必要な余分の革のことで、工作する時の「のりしろ」みたいなもんです。それがグッドイヤー製法では写真でも分かるように約5mm程度。ハンドソーンノルベジェーゼ製法は通常よりもつりしろが多めに必要な製法なので、大体約20mmくらいはとっています。

単純計算でも15mm足りないですね。


そこの部分の解消法は一応企業秘密です。


とにかくこのグッドイヤー製法仕様のアッパーをハンドソーンノルベジェーゼに製法変更していきまーす。



で、作業風景の写真はここまでです。


ここからは、ビフォーアフターでご説明させて頂きますー。




今回は、「コバをあまり出しすぎたくない。スマートな仕上がり。」をご希望されていたので、できるだけ、極限までスマートにしました。ノルベジェーゼでこれ以上のスマートにするのはちょっと厳しいので、コバをあまり出したくない派さんは、こちらのカスタムを参考にしてください。幅で言うと8mmくらいかな?ご参考までに。



写真の角度が分かりづらいのですが、ふまずもしっかり絞っています。コレも極限です。ココを絞ってスマートにする為に、出し縫いのチェーンステッチは半周にしています。

普通に全周ステッチを入れるともうちょっとイカつくなります。


無理な場合は無理!とお伝えしますので、具体的なご要望はガンガン言ってもらっても大丈夫です。対処法はいくつかご用意していますので。


アウトステッチもできるだけ細かくしたいとのご要望でしたので、3mmピッチ。手縫いでやってます。アウトソールとの兼ね合いもありありますが、ゴムのソールの場合はこれ以上細かいピッチは厳しいです。↑の写真でもほぼ見えていませんね。実物をマジマジと見ないと分かりませんね。






アウトソールは、『Vibram 100# /FIRE&ICE』です。


通常より柔らかいゴムが特徴的で触った感じもなんか他のと違います。ぐにゃぐにゃ。

−20度(ICE)から250度(FIRE)まで耐えられるという特性があるため、凍結した路面でのグリップ力が高いみたいです。250度の場所にはあんまり行く機会がないと思うんやけど…消防士さんとか?とにかく屋外で働く方にはうってつけのソールのようですね。


真ん中の白いバッテンが目印です。


(あ、この写真ふまずが絞ってるの分かるかも。)


それからステッチの色。


当初は「黒」でオーダー頂いていたのですが、ステッチが目立たなくなるかなと感じたので一度グレーの状態で確認して頂きました。黒にしちゃったら元には戻せないので。


お手入れの際に黒のクリームがついたら結局黒っぽくなっていくので、初めはグレーにしておいてだんだんと変化を楽しんで頂けるかなと思いご提案させて頂きました。


こういう途中確認をする場合もあります。




最後にちょこっとサイズ感のこと。


オーダーカスタムをご希望される方はみなさん心配されます。「サイズ感は変わりますか?」と。心配ですよね。


もちろん、できるっだけ!サイズ感は変わらないように心がけていますが、多少はやっぱり変わってしまいます。


グッドイヤー製法の靴の場合はその特徴でもあるコルクの沈みによるサイズの変動がありますが、製法変更をする場合は中底も新しくなりますので、この沈んだ中底の位置が元の位置に戻ります。


今までの履き心地に慣れていると最初は少し違和感を感じるかもしれませんが、ハンドソーン製法では厚みのある革の中底を使用しているので履けば履くほど足型に馴染んできて以前とはまた違うフィット感になってくれます.。


同じ靴ですが内部構造が変わるので多少のサイズ変化はご理解頂きたいなと思います。


ちなみに今回のお客様も「これ以上小さくなるとキツいです。」との状況でしたが男気を発揮してくださいました!(ありがとうございます。)出来る限り小さくならないように細心の注意を払って作業いたしました。


ですのでこれからオーダーされる方は、あらかじめ履いている時のサイズ感、ゆるめに履いているとか、指が当たっているとか。あと、扁平気味の足ですとか、甲が高いとか足の特徴も分かる範囲で教えてくだされば助かります。


直接お会いできない場合は年齢とか体型や足の形状、あとファッションの雰囲気とか。そうゆうの全部わからない状況ですので、何かしらヒントを頂けるととっても助かりますし、益々良い仕上がりになるような気がします。


しっかし格好良く仕上がりました。


『眺めながら酒の肴にできるくらいいいです。』と、メールに書いて頂いたのが何だか嬉しくてニヤッとしてしまいました。いいですよね。


そして履いてください。ぜひ、ガッシガシと。



オーダーいただきありがとうございました。


 

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